Monday, May 22, 2006

Corporate Finance

さて毎タームあった金融系のシリーズもこれが最後です。内容としては WACC の計算。ついにここまで来ました。いわゆる資本コスト(コスト・オブ・キャピタル)というものです。(ちなみにまだ私は素人なので解説に間違いがあるかもしれませんが、許してくださいね)。

会社は自分が持つ資本に対して、利益をもうけようとします。つまり、資本に対するリターンですね。資本をこれだけもっているので、最低限このリターンは返しましょう、という考えで、「リターン」は実はこれだけの資本を持っている時の「コスト」として考えられます。

この時、資本というのはバランスシートで言う左側のアセットにあたるわけですが(会社のもつアセットを駆使して利益やらリターンを稼ぎ出すので)、このアセットはどのような資金調達で得られたかというと、バランスシートの右側の負債 Debt と株 Equity に二分されるのです。

負債に対してのリターンというのは簡単で、金利の分だけリターンが求められます。元金を銀行が貸し出して、返金する際はこの金利をプラスしてね、というロジックなので、その金利(利子)が「負債額に対して必要なリターン(コスト)」となります。

問題は株発行で調達した資金。この資金に対して、どれだけのリターンを会社はもたらさなくてはならないんでしょうか。リスクのある会社、業界に投資した株主はより高いリターンを求めます。安定した会社、業界に投資した株主はそこそこのリターンを求めます。これが株で資金集めをした時にかかる「コスト」。

まとめると、
Capital コスト = Debt コスト + Equity コスト

さて、では後者の Equity コストとはどうやって計算するのでしょうか。

式を書くと Cost of Equity = rf + beta * MRP
になります。ひとつひとつ説明するのが面倒なのでしませんが(笑)、実はこの式、それぞれの項目(rf, beta, MRP)は複数の assumption から出してくるもの。assumption で出た値を使って Equity コストを計算し、それをもとに資本コストを計算するっつーのはまるで足元が見えない雲のなかで2階、3階、と建物を積み立てていくようなもの。

さらに、この資本コストを使って何ができるかというと、「企業価値」というのまで計算できるんですね。ここまでくるとぐらぐら度はさらに加速します。

でもなかなか面白いのです。金融は自分の専門ではないのですが、こんなふうに使われているんだ、ってかなり感動。もともと大学でも経済や金融系はとったことがないので、MBAを始めた頃は会計の初歩であるバランスシートなんぞというものは聞いたことがありませんでした。それが今ではここまで理解できるようになったんて。涙うるうるです(すみません程度低くて)。

テストはほぼできましたが(なんてったって計算得意なのです)、ひとつ大きなミスが。私よく不注意でポカをするのですが、キャッシュフロー計算の時になぜか税金の計算を忘れてしまった(笑)。これは税金を払いたくないという政府に対しての抵抗なんでしょうか。でもまあそれ以外はできたので大丈夫でしょう(って税金を忘れるなんて相当のアホですよね)。

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