Friday, September 09, 2005

電子辞書がんばる

2日目の今日は、朝7時に起きて税金番号Codice Fiscaleを取りに国税庁ミラノ支部(だと思う)に向かう。滞在許可証がないとこのCodice Fiscaleは取れないので昨日は本当にラッキーだった。街中の支部は待ち時間が3時間と聞いたので、好奇心もあってわざわざトラムに乗ってかなりはずれた支部にいってみる。するとこれが当たりで、待ち時間5分で通された。

ただし!いきなり窓口のおじさんにイタリア語でまくし立てられる。私は全くイタリア語を話せない。さらに、ミラノに来る前はフィジーとロンドンで遊んで勉強もしてこなかった。だから相手の言っていることは全くわからない。3分ほどおじさんがしゃべってとりあえず私がわかったことは、NOといわれたことだけであった。

こんなに遠くまで来て、学校始まる前の平日は今日で終わりだから、絶対NOじゃ帰らないぞ!という開きなおりが幸いしたのかよくわからないが、ようは私の書類不備とかでNOではなく、Codice FiscaleのシステムがダウンしていてNOだということがわかった。なぜイタリア語がわからない私がここまでわかったかというと、おじさんが何にも映っていないコンピュータ画面を見せてくれたり、ITっぽいひとがばたばたしている姿を見て、そう察知しただけ。待て、と言われ(たと思う)、じゃあ待つか、ってことになったのだけど、結局5分ほどでシステムは回復し、無事Codice Fiscaleをもらう。よかったよかった。

待っている間、電子辞書を活用しておじさんと世間話をする。南イタリアのナポリのさらに南150キロ離れた町の出身であることまでわかった。私も昨日着たばっかりでイタリア語大変です、ということを伝える。イタリア人は、英語しか話さない人には結構というかかなり冷たいのだけど、イタリア語を話そうとしてもがいている外人が英語をしょうがなく話している、という場面にはめっぽう優しくなる。そしてこれもこの後数日身をもって経験するのだけど、イタリア人は(男性も女性も)どちらかというと男性より女性にとても優しい。だからアメリカ人とかイギリス人とかが世界の人は英語が話せて当然、という姿勢でこうした国々に来ると結構痛い目あって、それが男の人だとさらに大変じゃないかなーというのは私の意見。

Codice Fiscaleが取れたら、次は銀行口座を開設するぞ!と怒涛のような攻撃をする。学校に近い銀行に次から次へと3支店ほど行ったが、ここでもイタリア語ができずに大苦戦。ただし、学校から教えてもらった書類では足りなく、もうひとつ住民票が必要ということがわかる。いくらなんでも自分の住居が決まる前に住民票は取れないや、ということであっさり退去。銀行口座は生活が落ち着いてから開こう。

この後、またしてもイタリア語のわからない中JR緑の窓口みたいな所に行き、1時間待って1ヶ月の交通パス(バス、トラム、メトロ)をどうにか購入。本当、人間どうにかなるものだ。

最後に向かったのは学校のHousing Office。カナダ出身(ただしケベック州:仏語圏)出身のMarieさんに会い、現在空いている物件をいくつか教えてもらう。彼女は英語ができるがネイティブではないので、たまに意思の疎通がえられなくなってしまう。それでも基本的にはとてもhelpfulなおばさんであった。

が、私の予算(一ヶ月500-700ユーロ)と現実には開きがあった。彼女いわく、ミラノはヨーロッパの中で、ロンドンに次いで住宅費が高騰しているエリアで、一人暮らしだったら最低800ユーロはかかるそうな。特に2002年に貨幣がリラからユーロに代わってからは1.5-2倍ぐらい物価があがったかららしい。800ユーロって112,000円じゃん、それって働いていた時の東京の家賃より高いよ!と勝手に私なりに憤慨し、しょうがないので二人で妥協して、700-800ユーロの物件をリストにする。

が、さらに問題発生。それは、な、なんと犬にあった。

現在彼がロンドンで駆っている犬をミラノで私が飼うことになっているんだけど、そのため私のアパートの絶対条件は犬がOKであること。犬のため、さらにバルコニーがあること、一人暮らし(シェアをするとルームメートに犬の許可をとらなくてはいけない)であること、公園に近いこと…と条件を言い始めたら言ったら彼女はひっくり返ってしまった。

ミラノではよく犬を連れている人が多いのに、犬を許可する大家さんはそれほど多くないらしい。結局リストアップした7件の物件も最終的には3件しかなくなってしまった。ラッキーなことに、そのうち一軒を見れるというので現地に一人で向かう(といっても学校がら7分ぐらいの場所だった)。

到着した場所は古い7階建ての建物の6階。管理人のおばさんに部屋を見せてもらう。このおばちゃんはいかにもものすごい典型的なおしゃべり好き&世話好きなイタリアのおばちゃんで、1時間ずーっとイタリア語で延々と話を続ける。なんだかよくわからんが、とてもいい人そうなので、とりあえず話を聞いてみる。1時間話していて、わかったのは多分5語ぐらいだけどそれでもなんとなくお互いの好意は通じる。途中からおばちゃんの旦那さんまででてきて賑やかになる。

アパート自体はシンプルな台所兼ダイニングと寝室、そしてうなぎの寝床のようなバスルーム。小さいバルコニーが台所と寝室についている。建物に似合った、古いクラッシックな家具が付いている。台所兼ダイニングと寝室は気に入ったのだけど、なにせバスルームが古く、狭い。バスルームというより、狭い廊下と呼んだほうがふさわしい。さらにトイレは可哀そうなぐらい隅に追いやられている。私の中ではトイレは重要なので、この点が気に入らないが、おばちゃんは優しいしロケーションも良いし、その他の部屋は狭いが住めるし、何よりも私の予算に近い(700)ので、フム、と悩む。

Katiaのアパートに戻り(彼女は週末実家に帰省のため私一人で過ごす)ロンドンの彼に連絡すると、「いったい一日のうち君は何分トイレで過ごすんだ。数分のために物事を決めるのか?」と言われ、そういやそうだな、と妙に納得。これからあと残りの2件をみてミラノの相場を判断し、最終決定しよう。

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