Wednesday, August 23, 2006

6年の年月を経て:Köln


電車で30分ほど離れたKölnまで行ってきました。久しぶりに降り立つこの街。駅のすぐそばにあるDomとよばれるゴシック様式のカテドラルもそのまま。そしてDomからのびる騒々しいショッピング通りも変わりがありません。


今回の旅の目的は…。借りたお金を返すこと。といってもずいぶん昔の話です。

6年前の2000年、カナダでの留学&研究生活を終え1ヵ月半のヨーロッパ一人旅をしました。その時スケジュールが数日あまったので、Kölnに立ち寄りました。滞在はたったの二日。駅のすぐそばのホテルに泊まりました。

初日の夜、しばらくの旅行でヨーロッパの食事も少しマンネリ化してきたので、ホテルの横に見つけたインド料理のレストランに行きました。カナダではよく食べていたインド料理なので、当時の私にとってはとてもほっとする味でした。女性の一人客ということで、オーナーがテーブルに立ち寄り、話を始めました。一人旅ではこうした人とのふれあいがホッとするのですが、このオーナーはとても優しく、私が注文した以上に食べ物をテーブルに運び、そしてお勘定は私が注文した以下の値段(ほぼ半分)をチャージするという非常に懐の深い人でもありました。

二日目は別のお店でドイツ料理を食べたのですが、それがいわゆる「ぼったくり」料理で、かなり値段をふっかけられ、さらに味もかなり不味いという始末。意気消沈して、さらにお腹の調子も悪くなってきてホテルに帰る途中、インド料理レストランの前を通りかかったら昨日話をしたオーナーが。事のいきさつを話すと憤慨して、とにかく店に入れ!とお腹の具合が悪い私に消化によいという食後酒やスープをいろいろともってきてくれました。しかもノー・チャージ。

さらに、この「ぼったくり料理」で思いがけないキャッシュを使い、明日のホテル代を払うのに10マルク足りない状態でした。銀行でおろす最低の額は50マルクから。次の日ドイツを発つ私には無駄なお金です(当時はまだユーロがありませんでした)。どうしようかな~、と何の気なしにオーナーに話をしたら、黙って10マルクを差し出してくれました。もらおうとおもって話をしたわけではないので受け取れません、と言ったのですが、困った時はお互い様、といって彼も譲りません。しょうがないので、ありがたく頂き、翌日無事にKölnを発つことができました。

長くなってしまいましたが、今回のKöln旅行の目的は、このインド料理屋に行き、オーナーに会ってお金を返すこと。10マルクが当時日本円でいくらぐらいだったかうろ覚え(1000円ぐらいかしら)なのですが、10ユーロぐらいでもせめて返そうと思って。

お店は当時のまま。お昼に空いているかな、と思ったのですが空いていました。お客さんもいなく、まずは私だけ(その後何人か入ってきましたが)。不思議な気分です。店内は全く変わっていません。



とりあえずあの時いただいた料理を覚えてる限り注文しました。レンティル豆とレモンのスープ、オクラのカレー、ライス、ラシ。味は変わりがありません。

食べている間、店内を見渡したのですが、オーナーらしき人の姿は見えず。お勘定の時に、ウェイトレスに聞きました。すると...残念ながら、オーナーはやはり留守とのこと。バカンスに行っており、来週半ばまで帰らないそうです。

ちょっと、いやかなり残念...。不思議そうなウェイトレスに、簡単にですが、数年前にこのお店に来たこと、オーナーにとてもよくしていただいたことを話しました。

お金は直接返したかったので、また来週以降にKölnにこようかしら。

あ~残念。

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