Friday, September 08, 2006

ブローニュの森・流血事件

今日は学校がありませんでした。ず~っと寝てて、起きたら10時半。近所のパン屋さんでバゲットとクロワッサンを買ってきて朝食。美味しいなあ。

暇そうにしているロイドを横目に、コンピュータに溜まっていた書類の整理。ふと気づくともう午後の2時。よし、と気合をいれてパリの西にあるブローニュの森まで地下鉄で行きました。

ブローニュの森、ってなんだか聞いたことはあるけれどパリにあるなんて知らなかった…と思いつつ、ロイドを放します。パリの街には小さい公園はあるけれど、どれも子供用で犬は立ち入り禁止。さらにミラノより狭いアパートに住んでいるのでロイドも相当ストレス溜まっているんだろうな、という罪悪感が心の中にあったので、こうしてのびのびと走り回るロイドを見ると本当に嬉しいです。

森、といっても別に丘があるわけでもなく、平坦な地に木や湖、小川があり、車進入禁止の道が広がっています。小川のところではなんとロイドが水の中にずんずんと入って行きました(笑)。前もロンドンのHeathで池に飛び込んだこともあるロイドなので、なんだかやりそうな気もしたんだけど。しかし、気持ちよさそうに遊んでいます。




そんな中、事件はおきました。ブローニュの森にはロイド以外に自由奔放に散歩を楽しむ犬がたくさんいます。ほとんどの犬は他の犬にも慣れていて、会っても挨拶を交わす程度(お互いの匂いをかいだりする)。なのにやっぱりはずれ犬はいるんですね。

この犬、若いカップルが連れていました。ブルドックを大きくしたような犬。なぜか首輪に漢字で「虎」と書かれた文字が。最初はロイドによってきて、くんくん匂いをかいでいたのですが、そのうちうおーっとロイドに襲いかかりました。襲われたら、いや、買われた喧嘩は買うのがロイド流なのかわかりませんが、ロイドも応戦します。なんかこういうの、前にもあったな。と思い、とりあえず私は飛び込んで犬を引き離そうと努力。若いカップルは兄ちゃんはただおろおろしているだけ、お姉ちゃんの方がたくましく彼女達の犬を引き離そうとしています。しばらくしてお互い首輪をつかみ、犬を離して一息。なんだか瞬発力使ったな~と思ってロイドを見てみると…。

おおおおおぃぃぃぃ、耳から血がでているよぉぉぉぉ~!!! なんでだ?噛まれたか?と思ったのですが本人は平気な顔をしています。よくよく顔を見たら、鼻の頭に小さい傷、耳の外側に小さい傷ができていました。傷は確認できないのですが、耳の内側にも血がついています。

これでなんだかさらに疲れ度が増し、ロイドぉ~、と思ってとぼとぼ歩いていると。後ろから二人ほど別の犬の飼い主が。なにかフランス語で言っています。なんだかよくわからないけど、昨日授業で習った「フランス語、ちょっとしか話せません」だけを伝えました(が伝わったかどうか)。どうやら喧嘩を見て(ロイドの方が圧倒的に小さかったし、どうやら子犬だと思ったようです)ロイドの様子を聞きに来てくれたようです。

なんだかじーんときちゃったよ。血をみてびっくりして、とにかくわかんないけれど「Pharmacy」「Disinfection」と言っているので、あ、薬局に行って薬もらってつけなさい、ってことね、と理解。でも大丈夫よ、よくなるよ、と励ましてもくれました。

パリは都会になれてすれちまった人が多いと聞いていましたが、やっぱりいい人はいるのね。帰りに通った薬局でも、何を言っていいのかわからないなりに英語で「Disinfection for my dog please…」と行ってロイドの耳を指差すと店員さんもわかってくれてすぐに対応してくれました。(しかし、英語を話さない異国だとなんだか私の英語がものすごくしょぼくなっちゃうんだけどどうしてかしら。英語でごめんよ~と思って話すからかな?)

静かな通りで早速薬をつけるために立ち止まっていると、今度は小学生の女の子が話しかけてきます。もうやぶれかぶれ(笑)。英語とイタリア語とフランス語が入り混じって話します。Mon chien got a bite from altro cane. 私の犬(mon chien = 仏語)、噛まれた(got a bite = 英語)、他の犬に(altro cane = 伊語)。こんなんでも通じてくれてありがとう、女の子よ。そして小学生だけに私の真のフランス語の実力を発揮。

Comment il s’applle? (この犬、なんて名前?)
おおおお、これならわかるよ。簡単な質問でありがとよ。
Il s’appelle Lloyd. Et toi? (ロイドっつーの。あなたは?)
Je m’appelle Anna. (アンナよ)

ロイドの流血事件も一時はどんなことになるやと思ったのですが、最後はフランス人の優しさにふれた一日となりました。

いや~しかし。疲れた!

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