Monday, October 16, 2006

マーケティング三昧

月曜日はマーケティングの授業だらけです。最初はJimmy Chooのケーススタディ。創立して10年の会社がなぜここまで飛躍的に成長を遂げることができたのか?その流通戦略は?今後の展開は?というのが大まかな内容。

Jimmy Choo の成功は創始者である Tamara Mellon によるところが非常に大きいです。彼女はビダルサスーンの創始者のうちの1人の娘で、20代半ばでイギリスVOUGE誌のアクセサリー・エディターをしていました。かねてから Jimmy Choo のデザインに感銘を受けていた彼女は Choo に共同経営の話を持ちかけて事業をスタート。Choo はマレーシア出身の生粋の靴職人で、カスタム・メイドで注文を受けていました。彼の繊細なデザインは熱烈なファンが多く、故ダイアナ妃も顧客の1人でした。

Tamara の狙った客層は非常にニッチな市場。セクシーな高級ハイヒール(値段は300ポンドから)に限定し、ターゲットとなる客層に猛烈にアピールします。Tamera はこれまで培ったハリウッド社交ネットワークから、俳優、女優、著名人を招待しイベントやパーティを開き、セレブリティ感をアピール。アカデミー賞やエミー賞の舞台でも同様シュー・フィッターとして靴を提供します。Sex and The City での靴の使用も相当効果があったとか。また、最初の店舗はロンドンのスローン通り、NYの5番街(日本での最初の店舗は表参道ヒルズ)。店舗の立地にも非常に気を使い、さらにブランドの高級感を膨らませます。流通の基本は直営店か、高級デパートによる展開。直営店だと投資コストはかかるのですがブランドイメージをコントロールしやすいという利点があります(ルイ・ヴィトンがその良い例)。現在では靴だけではなく、バッグや革製品にも手を広げ、「セクシー・ブランド」としての地位を確立しています。

デザイナーである Jimmy Choo は早々に会社を辞め、現在は Jimmy Choo Couture という名前でカスタム・メイドの世界に逆戻り。もともと靴職人である彼は Tamera の展開する Ready to Wear のコンセプトに違いを感じたのでしょうか。Jimmy Choo が離れる前から実際のデザインを担当していたのが彼の姪である Sandra Choi。ヘッドデザイナーという肩書きはあるものの、Tamera 自身も共同デザイナーとしてその肩書きをもち、Sandra に対してはメディアへの接触も禁止していたほど。今年12月で Sandra の契約が切れるのですが、これまで実質デザインを手がけてこのブランドにはなくてはならない存在になった Sandra をキープするのか(もちろんSandra側は相当額を要求しています)、はたまたここまでほとんど Tamera の力で宣伝、PRをしてきたのでデザイナーを変えてもブランドの地位はゆるがないのか、といったところが現在の問題だそうです。

なかなか面白いですね~。流通の授業とはいえ、会社の戦略も多いに絡んでくるのでとっても興味深いです。

この後の2コマは偶然どちらも Conjoint Analysis (マーケット調査の手法)。Marriott Courtyard 系列を立ち上げる際に行った大規模なマーケット調査の様子を中心にその方法と問題点などをじっくり考えます。Bocconiでもさらっと習ったトピックですが、かなり細かくしてくれるので結構面白い。しかし。Marriott Courtyard は成功例として紹介されていますが(まあアカデミック的にはそうなんでしょうけど)個人的な意見を述べれば...。過去にここに泊まっていい経験をした覚えがございません(笑)。どちらも結構な金額を払ったわりに格安感のあるサービス。趣味の悪い花柄のカーペットに花柄のベッドカバー。チープ感をぬぐいきれない籐の椅子(ちょっと壊れかけ)。まあ泊まったホテルにもよるのでしょうけど(私はサンフランシスコ近郊でした)。納得いかんぞ!

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