Wednesday, November 15, 2006

Group Work

最近グループワークが非常に多くなっています。Bocconiと違ってESSECでは学生数とコースが多いため、取る授業によって学生の顔ぶれは全く異なります。従って各授業で行うグループワークも異なるメンバーで構成されています。

いろいろな人と知り合うきっかけになるという面では非常にいいのですが、3つも4つもグループワークが重なるとスケジュールを調整するのがとても大変です(みんなそれぞれ違う時間にコースを取っており、さらに他のグループワークもこなさなくてはならないため)。

月曜日はマーケティングで日産 Infiniti のポジショニングの発表をしました。80年代北米では Luxury Car といえばドイツ車。そこに Infiniti と、後に Lexus が「A Japanese car with German feel at a lower price」というコンセプトを打ち出しました。Infiniti が市場に出た時に、どのように位置づけを行い、どのセグメントを狙い、どのように商品コンセプトおよび価値を伝えていくのか、というもの。ボランティアで口頭発表も行いました。なかなかよい反応。

そして今日は終日 Coach のケース(アメリカのハンドバックのブランド)に取り組んでいました。これは来週発表ですが、面白くなりそうです。そもそも流通の授業なのでどのようなチャネル戦略をとっているのかということもポイントなんですが、New Luxury Brand というコーチの位置づけも取り入れなくてはなりません。

コーチの戦略は非常に明確で、ブランドと消費者のニーズのギャップを埋めた会社です。いわゆる Masstige といわれる新しいブランド分野で、マスマーケットを狙いつつもブランドがもつ価値を保つ、というタイプ。価格はプラダやグッチの半額程度ですが、良い素材を使い常に新しい、消費者が好むデザイン性を持った商品を早いサイクルで提供しています。

コーチにはトム・フォードなどといったブランドを代表するデザイナーはいません。また、歩く広告塔となるようなセレブもいません。しかしコーチのものすごいところは、徹底的に消費者を調査するところ。アメリカでは年に2億ドルを費やしてカスタマ・サーベイを行い、ターゲットとしている消費者が何を求めているのかを追及しています。また手厚いカスタマサービスも戦略の一つで、リピート買いを増やすことを目標にしています。

高品質でスタイリッシュな製品をリーズナブルな価格で販売する--消費者を「一生に一度のケリーバッグ」的なスタンスから「シーズンごとに何種類かバッグを揃える」というスタンスにもっていくのが狙いです。

ちなみに、別の授業でたまたまグッチのケースを扱っているのですが、あのトム・フォードも同じ事を言っていました。彼のすごいところは、自身を「芸術的なデザイナーではなく、商業デザイナーである」と言い切っているところ。従って、ターゲットとする消費者も「ひとつの製品を長く使うタイプ」から「ファッションに敏感でシーズンごとに新しいアイテムを購入するタイプ」に切り替えを行ったそうです。

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