最近グループワークが非常に多くなっています。Bocconiと違ってESSECでは学生数とコースが多いため、取る授業によって学生の顔ぶれは全く異なります。従って各授業で行うグループワークも異なるメンバーで構成されています。
いろいろな人と知り合うきっかけになるという面では非常にいいのですが、3つも4つもグループワークが重なるとスケジュールを調整するのがとても大変です(みんなそれぞれ違う時間にコースを取っており、さらに他のグループワークもこなさなくてはならないため)。
月曜日はマーケティングで日産 Infiniti のポジショニングの発表をしました。80年代北米では Luxury Car といえばドイツ車。そこに Infiniti と、後に Lexus が「A Japanese car with German feel at a lower price」というコンセプトを打ち出しました。Infiniti が市場に出た時に、どのように位置づけを行い、どのセグメントを狙い、どのように商品コンセプトおよび価値を伝えていくのか、というもの。ボランティアで口頭発表も行いました。なかなかよい反応。
そして今日は終日 Coach のケース(アメリカのハンドバックのブランド)に取り組んでいました。これは来週発表ですが、面白くなりそうです。そもそも流通の授業なのでどのようなチャネル戦略をとっているのかということもポイントなんですが、New Luxury Brand というコーチの位置づけも取り入れなくてはなりません。
コーチの戦略は非常に明確で、ブランドと消費者のニーズのギャップを埋めた会社です。いわゆる Masstige といわれる新しいブランド分野で、マスマーケットを狙いつつもブランドがもつ価値を保つ、というタイプ。価格はプラダやグッチの半額程度ですが、良い素材を使い常に新しい、消費者が好むデザイン性を持った商品を早いサイクルで提供しています。
コーチにはトム・フォードなどといったブランドを代表するデザイナーはいません。また、歩く広告塔となるようなセレブもいません。しかしコーチのものすごいところは、徹底的に消費者を調査するところ。アメリカでは年に2億ドルを費やしてカスタマ・サーベイを行い、ターゲットとしている消費者が何を求めているのかを追及しています。また手厚いカスタマサービスも戦略の一つで、リピート買いを増やすことを目標にしています。
高品質でスタイリッシュな製品をリーズナブルな価格で販売する--消費者を「一生に一度のケリーバッグ」的なスタンスから「シーズンごとに何種類かバッグを揃える」というスタンスにもっていくのが狙いです。
ちなみに、別の授業でたまたまグッチのケースを扱っているのですが、あのトム・フォードも同じ事を言っていました。彼のすごいところは、自身を「芸術的なデザイナーではなく、商業デザイナーである」と言い切っているところ。従って、ターゲットとする消費者も「ひとつの製品を長く使うタイプ」から「ファッションに敏感でシーズンごとに新しいアイテムを購入するタイプ」に切り替えを行ったそうです。
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Wednesday, November 15, 2006
Monday, October 23, 2006
ポロ・ラルフ・ローレン
今回のブランドの授業はラルフ・ローレンのケースでした。高校時代にみんなで競ってラルフのポロシャツやらかばんやらソックスを買っていたな~、そしてみんな襟をたててポロシャツ着ていたな~なんて少し感傷的になりながら(笑)ケースを読みました。
ラルフ・ローレンは「アメリカン・ドリーム」の象徴らしいです。ファッション業界にコネがあったわけでもなく、普通の労働階級の家庭に育ったローレン。最初はネクタイのブランドからスタート。伝統やカレッジ、スポーツといった東海岸のティストを含み、これまでのネクタイとは異なるデザイン、色、素材を売りに成功を収めます。この時にポロというスポーツをロゴにしようということで、彼の名前にさらにポロとつけたのがポロ・ラルフ・ローレンの始まりです。
その後ポロシャツを作りさらに成功を収めた彼はその製品群を洋服へと広げます。とはいうものの、「私はファッションを作っているのではない。ライフスタイルを生み出しているのだ」という彼独自のポリシーのもと、様々な世代をターゲットにしたブランドを立ち上げました。ちなみに数年前の時点で60にもおよぶブランドを所有していたそうです。
ここまでなぜ短期間でビジネスを拡張できたかというと、ライセンス契約によるところが非常に大きいのが特徴。ブランド名、ロゴの使用を許可し、デザイン、製造、価格設定までライセンス契約先に依存したことにより、実は会社のブランドイメージをコントロールしきれず、安価な製品がマーケットを出回ったりしてしまいました。この軌道修正として、ここ数年はこうしたライセンスを逆に買い戻し、イメージの著しく悪いブランドは廃止し、高級層へのブランド拡張を図っています(高級スーツ、家具など)。
ちなみに、ポロ・ラルフ・ローレンの売上の7割はアメリカ。次いで大きいのが日本(たしか15%ぐらい)。このブランドはヨーロッパや他のアジアではほとんど売れていません。クラスでも議論がまっぷたつに分かれました。まず、アメリカと日本では最近の高級化戦略はかなり好意的に受けいられています。そもそもアメリカ感を売りにしたブランドなので、アメリカ人には受けがいいだろうし、日本人もアメリカ文化を好ましく思っているし、販売は路面店はなくとも(今年表参道にオープンしたそうですが)西武などのデパートで販売されており、ブランドとしての権威はなんとなく保たれていたのではないでしょうか。
一方、反アメリカ?(反ポロ・ラルフ・ローレンといった方が適切ですが)となるカナダやヨーロッパ、中国の国々の学生は、「ポロは高級ブランドではないし、今後高級ブランドになることはありえない」といっています。まあ文化的政治的な反対、というよりも、ラルフ・ローレンがこうした地域をほとんどライセンス契約にしブランドのイメージコントロールを行わなかった、というのが原因でしょう。カナダ人の学生は「シアーズでセールで売っているポロを見てしまうととてもじゃないけどいい印象は受けない」と言っていたし、中国人の友人は「近所の工場で安価に作られているポロを見ると高級感は感じない」と言っていました。ポロ・ラルフ・ローレンで昔働いていたという教授も、「こんなに長く会社を経営しているのに、ローレンはまだ中国に行ったことがないんだ(=中国を主要マーケットとして認識していない、あるいは主要マーケットに育てようと考えていない)」とも。
なかなか面白いトピックです。流通の戦略によってブランドのイメージが大きく変わります。ブランドのイメージを維持しようとするには直営店が必要で、そうなると投資を含めたコストは非常に大きな負担となります。未開拓の地域ではリターンがとれないリスクを避けるため、ライセンス契約で知名度を高め、初期コストを低くして利益を比較的容易に生み出し、余裕がでてきたところで徐々に投資を大きくしていく(直営店の進出など)、というパターンが多いようですが、これを大きな%で行ったのがポロ・ラルフ・ローレン(その他ジャン・ポール・ゴルチエなども同様)というわけです。
普通こうした流通戦略は面白くないことが多いのですが(笑)、こうしたブランドやファッションが絡むととてもわかりやすいし、なによりもケースを読むのが楽。5分ぐらいでさらさらさら~と読めてしまいます。ちなみにこの授業で扱うケースはほとんど教授による学内製作。さすが、ESSECの売りのひとつのコースです。
ラルフ・ローレンは「アメリカン・ドリーム」の象徴らしいです。ファッション業界にコネがあったわけでもなく、普通の労働階級の家庭に育ったローレン。最初はネクタイのブランドからスタート。伝統やカレッジ、スポーツといった東海岸のティストを含み、これまでのネクタイとは異なるデザイン、色、素材を売りに成功を収めます。この時にポロというスポーツをロゴにしようということで、彼の名前にさらにポロとつけたのがポロ・ラルフ・ローレンの始まりです。その後ポロシャツを作りさらに成功を収めた彼はその製品群を洋服へと広げます。とはいうものの、「私はファッションを作っているのではない。ライフスタイルを生み出しているのだ」という彼独自のポリシーのもと、様々な世代をターゲットにしたブランドを立ち上げました。ちなみに数年前の時点で60にもおよぶブランドを所有していたそうです。
ここまでなぜ短期間でビジネスを拡張できたかというと、ライセンス契約によるところが非常に大きいのが特徴。ブランド名、ロゴの使用を許可し、デザイン、製造、価格設定までライセンス契約先に依存したことにより、実は会社のブランドイメージをコントロールしきれず、安価な製品がマーケットを出回ったりしてしまいました。この軌道修正として、ここ数年はこうしたライセンスを逆に買い戻し、イメージの著しく悪いブランドは廃止し、高級層へのブランド拡張を図っています(高級スーツ、家具など)。
ちなみに、ポロ・ラルフ・ローレンの売上の7割はアメリカ。次いで大きいのが日本(たしか15%ぐらい)。このブランドはヨーロッパや他のアジアではほとんど売れていません。クラスでも議論がまっぷたつに分かれました。まず、アメリカと日本では最近の高級化戦略はかなり好意的に受けいられています。そもそもアメリカ感を売りにしたブランドなので、アメリカ人には受けがいいだろうし、日本人もアメリカ文化を好ましく思っているし、販売は路面店はなくとも(今年表参道にオープンしたそうですが)西武などのデパートで販売されており、ブランドとしての権威はなんとなく保たれていたのではないでしょうか。
一方、反アメリカ?(反ポロ・ラルフ・ローレンといった方が適切ですが)となるカナダやヨーロッパ、中国の国々の学生は、「ポロは高級ブランドではないし、今後高級ブランドになることはありえない」といっています。まあ文化的政治的な反対、というよりも、ラルフ・ローレンがこうした地域をほとんどライセンス契約にしブランドのイメージコントロールを行わなかった、というのが原因でしょう。カナダ人の学生は「シアーズでセールで売っているポロを見てしまうととてもじゃないけどいい印象は受けない」と言っていたし、中国人の友人は「近所の工場で安価に作られているポロを見ると高級感は感じない」と言っていました。ポロ・ラルフ・ローレンで昔働いていたという教授も、「こんなに長く会社を経営しているのに、ローレンはまだ中国に行ったことがないんだ(=中国を主要マーケットとして認識していない、あるいは主要マーケットに育てようと考えていない)」とも。
なかなか面白いトピックです。流通の戦略によってブランドのイメージが大きく変わります。ブランドのイメージを維持しようとするには直営店が必要で、そうなると投資を含めたコストは非常に大きな負担となります。未開拓の地域ではリターンがとれないリスクを避けるため、ライセンス契約で知名度を高め、初期コストを低くして利益を比較的容易に生み出し、余裕がでてきたところで徐々に投資を大きくしていく(直営店の進出など)、というパターンが多いようですが、これを大きな%で行ったのがポロ・ラルフ・ローレン(その他ジャン・ポール・ゴルチエなども同様)というわけです。
普通こうした流通戦略は面白くないことが多いのですが(笑)、こうしたブランドやファッションが絡むととてもわかりやすいし、なによりもケースを読むのが楽。5分ぐらいでさらさらさら~と読めてしまいます。ちなみにこの授業で扱うケースはほとんど教授による学内製作。さすが、ESSECの売りのひとつのコースです。
Monday, October 16, 2006
マーケティング三昧
月曜日はマーケティングの授業だらけです。最初はJimmy Chooのケーススタディ。創立して10年の会社がなぜここまで飛躍的に成長を遂げることができたのか?その流通戦略は?今後の展開は?というのが大まかな内容。Jimmy Choo の成功は創始者である Tamara Mellon によるところが非常に大きいです。彼女はビダルサスーンの創始者のうちの1人の娘で、20代半ばでイギリスVOUGE誌のアクセサリー・エディターをしていました。かねてから Jimmy Choo のデザインに感銘を受けていた彼女は Choo に共同経営の話を持ちかけて事業をスタート。Choo はマレーシア出身の生粋の靴職人で、カスタム・メイドで注文を受けていました。彼の繊細なデザインは熱烈なファンが多く、故ダイアナ妃も顧客の1人でした。
Tamara の狙った客層は非常にニッチな市場。セクシーな高級ハイヒール(値段は300ポンドから)に限定し、ターゲットとなる客層に猛烈にアピールします。Tamera はこれまで培ったハリウッド社交ネットワークから、俳優、女優、著名人を招待しイベントやパーティを開き、セレブリティ感をアピール。アカデミー賞やエミー賞の舞台でも同様シュー・フィッターとして靴を提供します。Sex and The City での靴の使用も相当効果があったとか。また、最初の店舗はロンドンのスローン通り、NYの5番街(日本での最初の店舗は表参道ヒルズ)。店舗の立地にも非常に気を使い、さらにブランドの高級感を膨らませます。流通の基本は直営店か、高級デパートによる展開。直営店だと投資コストはかかるのですがブランドイメージをコントロールしやすいという利点があります(ルイ・ヴィトンがその良い例)。現在では靴だけではなく、バッグや革製品にも手を広げ、「セクシー・ブランド」としての地位を確立しています。
デザイナーである Jimmy Choo は早々に会社を辞め、現在は Jimmy Choo Couture という名前でカスタム・メイドの世界に逆戻り。もともと靴職人である彼は Tamera の展開する Ready to Wear のコンセプトに違いを感じたのでしょうか。Jimmy Choo が離れる前から実際のデザインを担当していたのが彼の姪である Sandra Choi。ヘッドデザイナーという肩書きはあるものの、Tamera 自身も共同デザイナーとしてその肩書きをもち、Sandra に対してはメディアへの接触も禁止していたほど。今年12月で Sandra の契約が切れるのですが、これまで実質デザインを手がけてこのブランドにはなくてはならない存在になった Sandra をキープするのか(もちろんSandra側は相当額を要求しています)、はたまたここまでほとんど Tamera の力で宣伝、PRをしてきたのでデザイナーを変えてもブランドの地位はゆるがないのか、といったところが現在の問題だそうです。なかなか面白いですね~。流通の授業とはいえ、会社の戦略も多いに絡んでくるのでとっても興味深いです。
この後の2コマは偶然どちらも Conjoint Analysis (マーケット調査の手法)。Marriott Courtyard 系列を立ち上げる際に行った大規模なマーケット調査の様子を中心にその方法と問題点などをじっくり考えます。Bocconiでもさらっと習ったトピックですが、かなり細かくしてくれるので結構面白い。しかし。Marriott Courtyard は成功例として紹介されていますが(まあアカデミック的にはそうなんでしょうけど)個人的な意見を述べれば...。過去にここに泊まっていい経験をした覚えがございません(笑)。どちらも結構な金額を払ったわりに格安感のあるサービス。趣味の悪い花柄のカーペットに花柄のベッドカバー。チープ感をぬぐいきれない籐の椅子(ちょっと壊れかけ)。まあ泊まったホテルにもよるのでしょうけど(私はサンフランシスコ近郊でした)。納得いかんぞ!
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